今日のテーマは「投資家保護と投資家教育について」です。まずは私の基本的な考え方を書いておきます。
投資家が安心して投資判断ができるよう一定の規制は必要。しかし、必要以上の投資家保護は健全な投資家の育成を妨げてしまう恐れがあるので必要以上の規制はしない方がよい
・・・というものです。 ではまず、規制について書いてみます。もし、金融商品に全く規制がなかったらどうなるか?おそらく、詐欺あるいは詐欺同然の金融商品がたくさん登場することになるものと思われます。規制がない以上、どんな商品を売ってもいいのですから「売ったもん勝ち」ということになってしまいます。これでは安心して投資をすることができません。よって、一定の規制は必要だと思うわけです(このことについて一例を挙げるなら、為替証拠金取引が登場したときの状況がわかりやすいのではないでしょうか?かつては、為替証拠金取引に法規制がほとんどなかったため、悪徳業者が横行していたという時期がありました。このため、2005年7月に金融先物取引法が改正され、悪徳業者の排除の方向へ動くこととなったわけですね)。 さて、だからといって、何でもかんでも規制すればいいのかというとそういうことでもないと思います。「明らかな悪徳業者の排除」は必要ですが、そもそも投資というものは、リスクが付きもの。よって必要なのは、規制による投資家保護ではなく、投資家教育ということになります。 そもそも、いくら法の規制をかけても、悪徳業者が根絶するかといえば答えはノーでしょう。現実に投資詐欺はいくつも起きています。投資詐欺を行う人たちというのは、そもそも最初から法律を守るつもりなどないのですから、法の規制など事実上無意味です。そういう事態から自分の身を守るにはそのための知識を身につけるしかありません。
また、問題は、何も投資詐欺ばかりではありません。大手の銀行や証券会社で扱っている金融商品の中には「手数料ぼったくりの金融商品」が横行しています。もちろん、これらは全て合法的な金融商品ですので、法的には何の問題もありません。しかしながら、私の知る限り、証券会社や銀行の店頭に貼っている広告で「これはいいな!」と思える金融商品はほとんど見たことがないのも事実です。
当たり前のことですが、大手の銀行や証券会社の扱っている金融商品の場合、ウソは書いてありません。ただ、顧客にとって不利なことはできるだけ知られないように、そして顧客が「これは有利な商品だ」と錯覚するように作られているだけです(これは金融商品に限らず、どんな商品であっても基本は同じですが、金融商品はそれが特に目立ちます)。大体、その手の広告では一番大切なことが一番小さな字で書いてあるのが普通です。実際、ちょっと見ただけですと、非常に有利な金融商品だと思えるものが大半を占めています(小さな字を含めてよーく見ると不利な商品だということに気づくのですが・・・)。 「顧客を錯覚させるような広告は規制すべきだ」という意見もあるのでしょうが、私はそうは思いません。そうした広告には少なくともウソは書いていないわけですし、仮にも「投資家」を名乗る以上は、そうした金融商品のからくりを見抜く知識もまた必要です。これは投資に関する知識を身につけることでどうにでもなる話です。
さて、「投資家保護は大切だ」とばかりに何でもかんでも規制する方向になってしまうと、おかしな方向に進んでしまう気がします。投資家というものは「自己責任」で投資判断をするのが当然なのに、必要以上に投資家を保護してしまうと、「無責任な投資家」ばかりになってしまうような。もし、投資家を過剰に保護する法律ができたりしたらどうなるか?「自己責任」ということがますます曖昧になり、「損をしたら被害者として訴えて損失を取り戻そう」などと考える人も出てくるかもしれません。
かつて、MMFが元本割れしたときに大きな騒ぎになったことがありますが、そもそもMMFは元本保証ではないのですから、騒ぎになること自体がおかしいのではないかと思います。
長くなってきたので、とっとと結論へと移ります。 投資家である以上は、自己責任という重みをきっちりと自覚することが大切だと思います。たとえ投資詐欺に引っかかったとしても、「そこに投資するという判断」を下したのは自分自身なのですから、一方的に被害者面をするのではなく、自らの投資判断の甘さこそ省みるべきでしょう。投資による悲劇をなくすために必要なのは、あくまでも「投資家教育」だと思います。「投資の勉強などという面倒なことはしたくない」という人は投資などしてはならないと思います。自己責任の重みを自覚しない「自称・投資家」は市場から退場すべきです。私のいつものフレーズで表現するならば・・・
「投資教育なくして投資なし」
ということになりますね。
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