今日は、毎月分配型投信の話題です。 私の比較的身近なところにいる60代以上の方々で、毎月分配型投信を買っている人は何人かおられるのですが、中には、大きな勘違いをしている人がいます。
単純な話、「分配金が毎月入ってきているから、その分儲かっている」という勘違いです。 で、そういう勘違いをしている人が近所にいるという話を聞いたので、人づてに「分配金が入ってきているからといって、その分が儲かっているとは限らない。ファンドの基準価額の変動分も計算に入れて、トータルで判断しないと儲かっているかどうかは判断できない」ということを伝えてもらいました。
それでその人は、実際にファンドの基準価額とこれまでに受け取った分配金を元に、トータルでの損益計算をしたようです(恐らく、銀行でしてもらったのではないかと思います。自分で計算するほどの知識はないでしょうから)。 そしてその結果は・・・
案の定というべきか、これまで儲かっていたというのは単なる勘違いで、実際には損をしていたとのことでした。分配金は入ってきていたものの、ファンドの基準価額の値下がり分を考慮すると、完全な損失になっていたのです。
私はこれまで、毎月分配型の欠点として、複利運用できないとか、利益も出ていないのに分配金を出すタコ足配当だとかいうことを問題視してきましたが、投資家の意識としては、それ以前のレベルの問題のようです。実際には損をしているのに、利益が出ていると勘違いしている人は恐らくたくさんいると思われます。
その人は、ファンドの基準価額が変動していると言うことをちゃんと理解できていなかったのでしょう。ファンドの価格が変動することは商品を販売するときに説明を受けているはずですから知らないはずはないのですが、有利な預貯金という感覚で投資をしていたから、そんなことにまで頭が回らなかったのだろうと推測されます。
毎月分配型投信は、分配金が出るたびにはがきで通知が来るようですが、書いてあるのは分配金の金額だけで、基準価額の変動と合算した損益計算とか、運用利回りは一切書いていません。 例えばの話、「今月は○○円分配金が出ました。また、ファンド基準価額は決算日時点で○○円となり、前月と比較して○○円上昇(下落)しました。結果として、お客様の過去の総合損益は、+○○%(マイナス○○%)で、年利換算すると+○○%(マイナス○○%)となります」・・・とかいう風に文章でわかりやすく書いておけば、いくら投資のことを理解していない人でも、儲かっているか損しているかくらいはわかると思うのですが、そういう書き方にはなっていないので、非常にわかりにくいのです。
結果として、「分配金が出ているから、儲かっている」という勘違いを生んでしまっているのでしょう。
今回は、毎月分配型投信を取り上げましたが、儲かっているか損をしているかというのは、Microsoft Moneyのような資産管理ソフトを使っている人はともかく、そうでない人の場合、非常にわかりにくいように思います。資産管理ソフトがないと、いちいち自分で計算しないといけないわけで、基準価額変動と分配金を含めてのトータルでの損益計算はとくに初心者には非常に面倒だという気がします。この点、何とか改善できないものかな?といつも思うのですけど、何とかならないんでしょうか・・・?
この点が改善されないと、こうした勘違い投資家は一向に減らないと思います。もっとも、こうしたファンドの売り手側から見るならば、そうした誤解(本当は損をしているのに、利益が出ているという誤解)をして欲しいからこそ、利益が出ていないのに分配金を出すという、いわゆるタコ足配当をするのではないかという気もしますね。
というよりもむしろ、まさにそれこそがあえてタコ足配当をする唯一の合理的な理由なのかもしれません。売り手側からすれば、「誤解する方が悪い」ということなのでしょうか。
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