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Author:masa
1972年生まれの某中小企業勤務の独身男性サラリーマン。貧乏人からお金持ちを目指して奮闘中。貯金は手堅く、投資はリスクを小さく、というのがモットー。
なお、当ブログの更新は原則として不定期です(月に数回程度の更新になると思います)。

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貯金生活。投資生活。
「節約なくして貯金なし」「貯金なくして投資なし」を座右の銘とする管理人がお金と社会について語るブログ
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金融商品の売り手側がインフレリスクを強調する合理的理由について考える
前回の記事、預金がインフレに弱いことを示すデータはどこにもないの続編です。前回は、文字通り「預金がインフレに弱いというけど、米国などの海外ならともかく、日本においてそのことを示すデータなんてどこにもないじゃないか」という話でした。
今回は、金融商品の売り手側が、なぜことさらにインフレリスクを強調するのかということについて検討してみます。そこには合理的な理由があると考えられるためです。まずは参考サイトより引用します。


第2回 失うことを恐れる消費者たち | ビズハック!

-------------引用開始-------------------------------

 プロスペクト理論は、心理学と経済学とが融合した行動経済学の始まりを象徴する論文だ。この論文が証明したもっとも重要なこと・・・として、カーネマン自身が挙げているのは、人間の行動には「損失回避性 Loss Aversion」があるということだ。

 人間は損失を同額の利得より大きく評価する。同額の損失と利益があったなら、損失から得る不満足のほうが利益から得る満足より大きく感じられるということだ。つまり、同じ100円でも、道端で100円拾ったときの快感と、どこかで 100円落としたときの不快感とを「満足感」で測定すると、損失のほうが利得よりもずっと大きく感じられる(カーネマンによると2倍から2.5倍も大きく感じられるそうだ)。

 人間は損失により敏感だ。

-------------引用終了-------------------------------



ここにあるように、人間というものは、「損失を同額の利得より大きく評価する」という傾向にあります。人は、お金を得ることよりもむしろ、お金を減らすことに対してより強い関心を持つものです。人は損失に対して敏感です。せっかく一生懸命働いて貯めたお金を失いたくないと思うのは誰しも同じです。

この話は行動経済学についての本を読んだことのある人であれば、すでに知っているかと思います。今回の話の本題はここからです。では、この話を証券会社など金融商品の売り手側の立場で考えるならばどうなるか?その答えは簡単です。



「投資をすればお金が儲かりますよ」というよりもむしろ、「投資をしないと、インフレでお金が目減りしてしまいますよ」という”お金を失う恐怖を煽る”セールストークの方が効果的だということです。



このように考えれば、金融商品の売り手側たちがことさらインフレリスクを煽りたがる合理的理由が明確になります。投資でお金を儲けることに対しては興味を示さない人であっても、投資をしないとお金を失う恐れがあると言われれば話は別。お金を失う恐怖から、それまでは無関心であったはずの投資に興味を持ってくれる可能性は一気に高まります。「投資には興味がなかったけど、インフレでお金が目減りするのを避けるためには投資をしなければいけないじゃないか」と。こうなれば、もはや金融商品の売り手たちの思うつぼ。あとは、見込み客である彼らは、自ら投資をするようになります。うまくいけば、周りの人たちにまで、インフレリスクを宣伝してくれるかもしれません。彼らは”善意”でインフレリスクを宣伝し、投資を周りの人たちに勧めてくれる無償奉仕の営業マンだと言えます。なんて素晴らしい!金融商品を売っている立場の人たちにとっては、これほどおいしい話はありません。



金融商品を売りたかったら、「投資でお金を儲けませんか?」というような、うさん臭い宣伝をする必要はないのです。「何もしないで預金にしておいたままですと、インフレになったときに大変なことになりますよ。それでもいいんですか?」と言えばそれでいい話。実によくできています。

米国などの海外ではともかく、日本では預金はインフレに負けてきませんでした。そのことは明確な事実です。しかし、自分の頭で考えようとしない人は、いちいちそんなことを調べたり確認したりしようとはしないものです。そんな人は、証券会社などの金融商品販売業者のいいカモになることでしょう。



誤解して欲しくないので念のために書いておきますが、インフレリスクを無視してもいいというわけではありません。インフレリスクは確かに存在するリスクの一つです。ただ、投資における判断というものは自らの頭でよく考えて行うべきものであって、金融商品の売り手側のセールストークをそのまま信じてはいけないということです。

以前の別の記事でも書いたとおり、必要なことは3つです。


自分自身で調べる。
自分の頭で考える。
人に聞く前に自分でできるだけのことをする。


この3つのことがきちんとできてこそ、投資をする資格があるのだと思います。







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預金がインフレに弱いことを示すデータはどこにもない
以前に書いた記事の関連記事です。といっても、2006年の1月に書いた記事なので、ずいぶん前の話になります。

本当にインフレで預金は目減りしたのか?

この記事で書いたのは、「1年ものの定期預金に関する限り、おおむねインフレに勝っている」という話でした。この点について他の人たちはどう認識しているんだろうかと思い、Googleで検索してみると、いくつかのサイトが見つかりました。日付の古いものも含めて、列挙しておきます(古い記事もあるので、記事の日付も併せて明記しておきます)。


(第1回)この1年間で消えた言葉――「預金はインフレに弱い」 | 資産運用・投資信託 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン (2009年9月18日の記事)

インフレには、1年定期預金で対応できる。|The Goal (2009年4月29日の記事)

預金はインフレに弱いのか? | ホンネの資産運用セミナー (2006年6月16日の記事)

インフレになると財産は減るか?(預金・株価編) - Missing In Action (2010年1月8日の記事)



さて、よく言われることに「預金はインフレに弱い」というのがありますが、そのことを示す具体的な数字を一度も見たことがありません。しかし、考えてみれば当たり前の話です。事実を見るならば、日本の過去のデータを見る限り、預金がインフレに負けたことなどほとんどないからです。要するに、預金はインフレに弱いうんぬんの話は事実と異なっているのです。

「じゃあ、一体誰が預金はインフレに弱いということを主張しているの?」ということになるのですが、そんなことは考えるまでもありません。金融商品の売り手側の人たちが、投資による手数料稼ぎを目的として、ウソをついてまで、投資を煽っているのです。もし、日本の過去のデータを示せば、その話がウソだということがばれてしまいます。

未来がどうなるかはもちろんわかりませんが、日本の過去のデータを見る限り、ただ単にインフレリスクに備えるだけならば、あえて投資をする必要などなかったということになります。投資というのは、より積極的にリスクをとる行為ですので、インフレリスクに備えるという”守り”を目的として行うべきものではないと思います。

投資というのは、ざっとみても実に様々なリスクがあります。

*価格変動リスク
*信用リスク
*流動性リスク
*金利変動リスク
*為替変動リスク
*インフレリスク
その他諸々。

インフレリスクというのは、数あるリスクのうちのほんの一つに過ぎません。未来を知ることができない以上、インフレリスクに備えて投資をするというのは間違いではありませんが、それは同時に、他のリスクも同時に抱え込むことになります。そのリスクを背負うことが果たして妥当なのかどうか、リスク許容度の範囲内なのか、よく考える必要があります。

この話であらためて思うことは、いつもと同じで、「インフレなんかよりも、金融商品の売り手側のセールストークの方がはるかに恐ろしいじゃないか」ということです。事実と異なる話をでっち上げてまで投資を勧誘するというやり方が妥当だとは思えないからです。
もっとも、自分にとって都合のいい話をでっち上げるのは、セールスの場面ではよくある話です。ここで重要なのは、やはり自分の頭でしっかりと考えることだと思います。

「インフレが怖いから投資を始めたけど、他のリスク要因でかえって資産を減らしてしまった」ということがないようにしなくてはなりません。それでもリスク許容度の範囲内なら問題ありませんが、それを超えてしまったら、大変なことになります。

もし今後、預金はインフレに弱いということを主張する人がいたらこう尋ねてみましょう。「話は分かった。だったら、預金がインフレに弱いというのを具体的に数字で実証するデータを見せてくれ」と。相手は答えることができないはずです。

それにしても、根拠のない話を持ち出してまで投資を推奨する金融商品の売り手側のやり方には、ある種の恐ろしさを感じます。

--------------------
追記:

*今回の記事に関して、反論コメントが予想されるので先に書いておきます。

今回の記事の話は、あくまでも日本国内の預金に関する話です。預金がインフレに弱いことを強調するときには、必ずといっていいほど米国の話が出てきます。しかし、日本に住んでいる日本人が預金をするのは、米国ではなくて日本です。よって、日本において、預金がインフレに弱いことを示すことができないかぎり、インフレリスクをことさら強調するのは意味がありません。日本人に対して、日本では当てはまらない海外の話を持ち出してくるのはフェアではないと思います。


追記2:

*読者の方から、「第一次石油ショックのとき、インフレで預金は大幅に目減りしているではないか」とのコメントを頂きました。これは非常に重要な話だと思いましたので、コメント欄ではなく記事本文の方に追記として私の見解を書いておきます。

この指摘は確かにその通りで、この時期に関して言うならば「預金がインフレに弱いことを示すデータは存在する」といえます(ついでに書いておくと、第2次石油ショック後と、消費税率引き上げの時もそうですね)。この点については、今回リンク先として紹介した、東洋経済オンラインの記事でも言及されています。

とはいえ、金融商品というものは短期的に見るのではなく、長期的なデータを見て評価するのが一般的です。長期的視点で見るならば、上記のような急激なインフレ時を除けば1年ものの定期預金の金利は物価上昇率を上回ってきたのですから、「過去のデータを長期的視点で見る限り、預金はインフレに負けていない」と判断するのが妥当な見方だと思います(もちろん、これは過去のデータですから、将来的にどうなるのかはわかりません)。

もし、百歩譲って、短期的視点で預金がインフレに負けていることをことさら強調するというのなら、同様に、株式などのリスク資産についても短期的な視点で見るべきだと思います。つまり、日本においてバブル経済が崩壊したとき株は果たしてどれほど目減りしたのか?あるいはサブプライムローン問題による金融危機の時はどうであったか?という話です。預金だけ短期的視点で見て、リスク資産については長期的視点で見るというのは、あまりにもご都合主義過ぎます。私が「預金はインフレに弱い」うんぬんの話に対して疑問を持つのは、石油ショックなどの特殊な事件が起きた時期だけをことさらに強調し、それら以外のほとんどの場合において預金がインフレに勝ってきたことを決して言おうとしないことです。投資の世界においては、いかに預金というものが不利で、株式などのリスク資産が有利なのかということを盛んに宣伝する傾向にありますが、これはフェアなやり方ではないと思います。



それから、追記をもう一つ。今回、参考サイトとしていくつかのリンク先を挙げましたが、同様のサイトは他にもあるので、それらへのリンクを貼っておきます。引用はしませんが、参考までに。


定額貯金のインフレリスクを検証する[マネー]All About

預金はインフレに弱い・・・ってホント? - その他(投資・融資) - 教えて!goo


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「教えてくん」にならないように注意しよう
パソコンの世界に「教えてくん」という言葉があります。

教えて君とは - はてなキーワード

-------------引用開始-------------------------------

自分で調べもせず、安易に他人に訊いて問題を解決しようとするひと。「教えて!」に「君」をつけることにより、「見下す」、「幼い」といったニュアンスを与える。


教えて君の定義は以下の通りです。

1:質問する前に自分で知りたいことを調べていない・検索をしていない

2:何度も連続して質問をする

この2つのどちらか、もしくは両方に当てはまる人が、教えて君であると言えます。

-------------引用終了-------------------------------



さらにもう一つ、参考サイト。教えてクン養成マニュアルです。

教えてクン養成マニュアル

-------------引用開始-------------------------------

1. 努力を放棄すること

いやしくも「教えてクン」たるもの、努力をしてはならない。
過去ログを読んだり、検索してはいけない。
「英語は苦手なので、分かりません。」は、高く評価できる。
辞書片手にマニュアルやReadMeを読むなど、決してしてはならない。
他力本願と言われようと、自分で調べたり試行錯誤したりせず、他人の努力の結果を搾取するのが、正しい「教えてクン」である。
また、「もう何が悪いのかサッパリ分かりません。」と言ってふてくされるのも有効である。
「サッパリ」という単語が「やる気の無さ」を効果的に表現している。
「原因を特定するには、何をすべきでしょうか?」と訊いてしまうと自己の積極性が現れてしまうので、「教えてクン」失格である。

-------------引用終了-------------------------------


私の場合、パソコン歴がけっこう長いので、パソコンの技術的な知識もそれなりに持っています。必然的に、パソコンがらみのことで人から頼られることも多いのですが、世間のパソコンユーザーの中には、上記のような「教えてくん」が非常に多いことに気付きます。

私の場合、パソコンを使っていて何か技術的な要因によるトラブルが発生しても、自分で調べて考えて自力で解決するのが当たり前です。動作が不安定になってきたらOSのクリーンインストール。ハードディスクから異音がし始めたら、もうすぐ壊れると判断して自分で交換する。メモリーに不具合が生じたら、検査ツールを使ってそれを突き止め、メモリー交換。インターネットにつながらない(あるいはすぐに切断されてしまう)などのネットワーク障害が起これば、原因を調べて対処します。パソコンを使う以上、この程度のことは自分でできるのが当たり前。

・・・と言いたいのですが、これは世間一般の常識とはやや異なっているのも確かです。分からないことを人に聞くこと自体が悪いわけではありません。とはいえ、「教えてくん」の場合、少々事情が違います。



自分では一切考えない。
自分では一切調べない。
人に聞けばそれでいいと思っている。



問題なのは、「考えないこと」と「調べないこと」なのです。

同様のことは、お金のことについても言えます。貯金にしろ、投資にしろ、基本は自分で考え、自分で調べるのが基本だと思います。一番問題なのが、”投資における教えてくん”です。要するに、「何を買えば儲かるの?」とか「ポートフォリオのおすすめは?」「損をしないためにはどうしたらいいの?」という類の質問をしてくるタイプの人です。

当たり前の話ですが、「そんなことは答えようがない」としか返答できません。お金が確実に儲かる方法などそもそも存在しないし、定石と呼べるものはあっても、唯一の正解というものは存在しないからです。

貯金にしろ、投資にしろ、やるべきことは単純です。


自分の頭で考える。
自分で主体性をもって調べる。
人に聞く前にできるだけのことをする。


なぜ、これが重要なのかといえば、貯金や投資というのは、人によって正解が異なるからです。ある人にとって正しいことが別の人にとっても正しいとは限らないのです。そして、それ以上に問題なのが、投資の世界においては、”人を騙してでも手数料をもぎ取ろう”という人が非常に多いからです。手数料をもぎ取られるだけならまだしも、お金の世界においては、投資詐欺の類も珍しくありません。

証券会社の口車に乗せられないようにするために、そして投資詐欺を見抜くために、きちんと勉強して身につけた投資の知識が必要です。


お金の世界で「教えてくん」になるということは、「私はバカでマヌケで何も分からないただのアホです。どうか好きなようにお金を持っていってください」というのと同じです。ゆえに、他の分野ならともかく、欲望の渦巻く投資の世界においては絶対に「教えてくん」になってはいけないのです。



・・・というようなことは、ごく当たり前のことのはずなのですが、それでもやっぱりわからない人がいるんですよねぇ。馬鹿につける薬はないということなのか・・・。





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就活をする学生の大手志向・安定志向は、おおむね合理的である
一般的に、不景気になると就職しようとする学生の大手志向や安定志向が強まる傾向にあります。そうした傾向を批判する人もいますが、私が思うに、その考えは極めて合理的な選択の結果だと思います。以下に、そう思う理由を書いていきます。


*大企業に未経験で入社できるチャンスは新卒時しかない

日本の大企業においては新卒一括採用が一般的なので、大企業に全くの未経験で入社できるチャンスは人生でただ一度、新卒時しかありません。ゆえに、実際に入社出来るかどうかはともかくとして、挑戦するという意味において、大企業を目指すというのは理にかなっています。



*大企業の正社員は、今後も既得権益を持った特権階級であり続ける公算が高い

会社にもよりますが、一般的に大企業というところは給料・福利厚生という点で多くの中小企業よりも圧倒的に恵まれています。大企業の正社員というのは、実質的には既得権益を持った特権階級であり、そのことが批判の対象にもなっています。しかし、大企業の正社員というのは、今後も特権階級であり続けるだろうと思います。なぜなら、「変わりたくない」という人たちが大勢いるからです。世の中というのは、そんなに急激には変わらないものです。私自身も、このブログ内で「特権階級化した正社員の過剰保護をやめるべきだ」「同一労働同一賃金にすべきだ」ということを何度も書いてきましたが、これはあくまでも「そうあるべきだ」という話であって、現実は違います。非正規雇用労働者が急激に増加したのは1990年代の半ば頃からだと思いますが、それから15年もの年月が経過した今でも何ら状況が改善されていないというのは周知の通り。正社員を含めた真の雇用流動化とか同一労働同一賃金というのはいわば理想論であって、現実のものにするのは極めて困難です。世論を二分する激しい議論をしなくてはならず、超えなければならないハードルがあまりにも多すぎるためです。こんなやっかいな問題に本気で取り組もうとする政治家はそうはいません。いかに雇用が不安定になったとはいえ、それでも大企業正社員の地位は、中小企業と比べて遥かに恵まれているわけで、そうであれば、大企業の正社員になって特権階級を手に入れようとするのは合理的です。敷かれたレールの上を走る方が圧倒的にリスクは低く無難だからです。現在、特にリスクをとっていないにも関わらず、比較的豊かな生活をしているのはどういう立場の人たちなのか?ということを考えてみればわかることです。



*未来の大企業を事前に知る術はない

未来を事前に知ることはできないので、現在の中小企業やベンチャー企業のうち、将来的にどの業界のどの会社が大企業になるのかを知ることはできません。よって、現時点での勝ち組企業である安定性のある大企業を選ぶのは無難な選択だと思います。



*サラリーマンである以上、サラリーマンであるがゆえのリスクから逃れることはできない

大企業・中小企業・ベンチャー企業のいずれにおいても、サラリーマンとしてのリスクはついて回ります。即ち、会社が潰れるリスク、そして会社を解雇されるリスクです。「大企業でも安泰とは言えない。経営破綻することもあれば、クビになることもあるじゃないか」ということを言う人もいますが、これはベンチャーや中小企業でも同様です。このリスクから逃れることはできません。ならば比較的安定していると考えられる大企業に行きたがるのは当然です。未来を過去の延長上で考えることが正しいとは限りませんが、勝ち組企業である大手の方がリスクは低いと考えられます。



・・・とまあ、このように安定性のある(と、現時点では考えられる)大企業を就職先として選ぶことには一定の合理性があるのです。とはいえ、これはこれで、また別の問題が発生します。それは・・・



安定性があると考えられている大企業は大変人気があり競争率が高いので、そう簡単には入社できない可能性が高い



ということです。いくら学生側が大企業志向・安定志向といっても、そう簡単には希望通りにはなりません。よって、このリスクに対してまた別の対策を考える必要があるかと思います。即ち、



大企業を目指しつつも、中小企業・ベンチャー企業にも目を向けて就職活動を行う必要がある



ということです。いくらなんでも厳しい世相の中、大企業しか受けないというのでは逆にリスクが高くなりすぎるのです。よって、中小企業やベンチャー企業といった企業も視野に入れて活動した方が無難です。日経ビジネスの中に、小さなトップランナーという記事があります。

日経ビジネスが描いた日本経済の40年【日本を救う小さなトップランナー】(日経ビジネスオンライン)

中小企業の中には、エンドユーザーや一般消費者に名前は知られていなくとも、企業向けの市場において圧倒的なシェアを誇る企業も少なくありません。あえてそういう企業に狙いを定めるのも一つの手だと思います。要するに、幅広くいろんな会社を検討した方がいいということで、就職活動も投資と同様、”分散”が重要ということでしょうか。

それからもう一つ。就職先がないなら起業すればよいということを主張する人もいますが、これはあまりにも安易すぎると思います。そもそも、就職活動をしたにもかかわらず就職先が決まらないということはどういうことでしょう?採用担当者に見る目がないということかもしれませんが、もしかすると自己PRする能力が低い、あるいは他人にあまり評価されるような人物ではないという可能性も考えられます。自分を売り込むことのできない人や、他人に評価されない人が果たして起業で成功できるのか、再考する必要があると思います。それ以前に、ビジネス経験のない人がいきなり起業するということ自体が相当に無茶です。

もし、どうしても起業したいのなら、学生のうちに起業をしてしまうという方法もあり得ます。つまり、学生という立場を維持したまま、”起業家という副業”をするのです。いわゆる学生起業というやつです。もし、それがうまくいけば、学校の卒業後に就職しないでそのままビジネスを継続すればよいし、失敗したら一旦諦めて就職してビジネススキルに磨きをかけて、あらためて再チャレンジすればいいのではないかと思います。これならばリスクははるかに小さくて済むはずです。もっともこの場合、起業資金をいかに用意するかということと、起業と勉強との両立をどうするかということの2つが最大の問題になりそうです。学生起業について参考になりそうなサイトを挙げておきます。


「就職」ではなく「起業」――学生起業家たちの実態 - IT業界就職ラボ



さて、今回の話は、世間一般に蔓延している「最近の学生は安定志向でチャレンジ精神がない」うんぬんのよくある批判とは異なる視点で書いていますが、実際のところ安定志向というのはほとんどのサラリーマンも何ら変わるところがありません。これは大企業・中小企業とも同じだと思います。つまり、サラリーマンをやっているということ自体が安定志向じゃないかという単純な話です。

ただし、大企業の正社員といえどもそれなりのリスクがあるということは理解しておかなくてはならないというのは確かです。当然のことながら、中小企業やベンチャー企業では、企業としての安定性がない分だけ、さらにそのリスクは高くなるはずです。

それから、これは投資ブログとしての余談ですが、安定志向や大企業志向というのは、これから就職しようとする学生だけに限ったことではありません。投資家でも同様です。投資家が株を買う際に、多くの人が新興ベンチャー企業の株ではなく一部上場の大企業(中でも、経営破綻するリスクが低いと考えられる安定性のある企業)の株を買いたがるのはなぜでしょう?それは未来を知ることができない以上、現時点での大企業の株を買う方が無難だからです。大企業というのは、市場や環境の変化に適応できたからこそ大企業になれたのです。ゆえに大企業には安心感があります。一般消費者が無名企業の商品よりも大手企業の商品を買いたがるのも、この安心感ゆえんだといえるでしょう。現在の大企業が数十年後まで生き残っているという保証は何もありませんが、だからといって新興ベンチャー企業が数十年後に大企業に成長しているという保証もないのです。そもそも、もし未来の大企業を見抜ける能力があるのなら、株式投資で間違いなく億万長者になれるはずです。もちろん、未来を事前に知ることはできないのでそんなことは不可能ですけど。

ついでに書いておくと、インデックス投資家は完全なリスク回避型の安定志向だと思います。なぜならば、最もリスクの低い投資方法を選択しているからです。リスクをとることが仕事であるはずの投資家ですら安定志向なのですから、これから就職しようとする学生であれば、大企業志向や安定志向になるのは当然のことではないかと思います。

若い学生たちは、時代の変化に適応しようとしているだけの話です。何よりも、そんな安定志向の若者たちを作り出したのはもっと上の世代である中高年層以上の人たちなのですから、もし責めを負う人がいるとすれば、それはこんな社会を作り出した中高年層から上の世代の人たち自身だと思います。第一、中高年層のうち、あえて安定志向を選ばす、自らリスクをとってきた人というのは果たしてどれほどいるのでしょうか?

非正規雇用労働者の比率は若い人ほど高くなっているわけですが、それを考えれば、若者たちが大企業志向・安定志向に走るのは仕方のないことだと思います。新卒時に正社員になり損ない、いったん非正規雇用労働者になってしまうと、その職務経歴がなかなか正当に評価されず、結果として正社員になるためのハードルは一気に高くなってしまいます。若者たちにツケを押し付けているとしか思えない今の理不尽で厳しい雇用状況を考えれば、少なくとも私自身は、安定志向・大企業志向の若者たちを責める気にはなりません。


最後に一言。
社会人になっての、最初のキャリアは非常に重要です。なぜならば、これが事実上その人の一生を決めてしまうことにつながるからです。次に会社を変わろうとするときには、当然のことながらキャリア採用ということになりますが、そこには”未経験者不可という鉄壁の参入障壁”が待っているからです。

そしてもう一つ。様々な企業を見て回ったり、実務経験なしで入社試験を受けることができるのは、新卒予定の学生ならではの特権だと言えます。こんなことができるのは人生でただ一度だけです。これは非常に貴重な体験だと思います。



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