2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生しました。このニュースを最初に知ったとき、私自身が体験した阪神淡路大震災を思い出しました。大地震が起こるたびに思うことは、日本に住み、生活するときの最大のリスクというのは大地震に遭うリスクではないだろうかということです。
1995年に起こった阪神淡路大震災の際に体験した激しい揺れ。何度も起きた余震。そしてその当時、神戸市内で見た光景は今でも忘れることができません。完全に倒壊した建物。倒壊にまでは至らないまでも傾いた建築物。陥没した道路。火事で焼けて黒焦げになった家や車。それらの光景は、まるで昨日のことのように今でも鮮明に覚えています。それはまるで映画のワンシーンのようで、これが現実のものとはとても思えませんでした。 この当時に経験したことは、私のお金の考え方にも大きな影響を及ぼしました。私がモットーとしていることに、「最悪の事態に備える」というのがありますが、それはあの阪神淡路大震災が原点になっている部分もあります(もっとも、この最悪の事態というやつをどの程度まで想定するかというのは非常に難しいのも確かです。特に、今回の原子力発電所関連のニュースを見ていると、リスク管理というものの難しさを感じます)。
私は持ち家に対しては否定的な考えを持っていますが、それは持ち家が得か賃貸が得かということよりむしろ、日本のような地震多発地帯で持ち家を持つことは非常にリスクが高いと思っているからです。阪神淡路大震災の時、資産であったはずの持ち家が文字通りガラクタになってしまい、負債だけが残ったという話が多々ありました。もちろん、海外でも大きな地震は起こっていますが、過去の震災の例から見ても、日本に住んでいて大きな地震に遭遇する可能性は非常に高いと思います。日本に住んでいる限り、このリスクから逃れることはできないと思わざるを得ません。
私は、あの阪神淡路大震災以来、この地震リスクに対してどのように備えればいいのだろうかということを何度も自問自答してきました。しかし、その答えは今なお出ていません。21世紀を迎え、これほどまでに科学技術が進歩した今日でさえ、人は地震という自然災害に対してあまりにも無力だと言わざるを得ないからです。もちろん、非常食や汚れた水を飲み水にするための携帯用浄水器、ストラップ付きの防災用ホイッスル(笛)、手回し発電可能なライト付き防災ラジオ等の確保はしていますが、せいぜいその程度のもので、大規模災害にはなすすべがありません。今回のような未曾有の大震災ということになればなおさらです。
ただ、今回の大震災に遭った人々の行動を見ていて思うことは、人々の多くが極めて冷静に行動しているということです。これほど大変な状況下にあってなお、大きなパニックに陥らず冷静に行動し、皆で協力し合っていこうという姿勢が感じられるのは、やはりさすが日本人だと思います。 (とはいえ、阪神淡路大震災のときは、火事場泥棒的な犯罪事件はあったようですので、今回も同じような人はいると思いますけど・・・)
日本というと、いつの頃からか何かとネガティブなイメージで語られることが多くなりました。GDPで中国に抜かれただの、少子高齢化で経済成長が期待できないだの、財政破綻するだのといったことです。「○○国は素晴らしい。それに比べて日本は・・・」という文脈で語られることも多く、日本人というのは自国に対してあまりにも自虐的過ぎるのではないかと思うことさえあります。
しかし、これほどの大規模な大震災に遭遇してもなお冷静かつ協力的に行動できる日本人の能力を持ってすれば、いかなる危機であろうとも乗り越えられるのではないかと思うのも事実です。日本という国、そして日本人は、やはりすごいと思います。
とりあえず、私は今の自分にできることに取り組むことにしました。それは義援金を送ることです。お金で幸せを買うことはできないかもしれませんが、お金で誰かの生活を助けることはできるのです。私の利用しているインターネット接続業者が災害救援金の募金活動をやっていたので、早速に寄付を行いました。
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